先週読んだ本

久しぶりに、想像以上に読み応え抜群の本に出会った。

君は隅田川に消えたのか -藤牧義夫と版画の虚実

君は隅田川に消えたのか -藤牧義夫と版画の虚実

先日たまたまテレビをつけたら、3月25日まで神奈川県立近代美術館で開催している
『生誕100年 藤牧義夫展』を紹介していた。
ちょうど、隅田川の川べりの風景の絵巻が映し出されており、
そのタッチがとても好みだったので、その人のことを知りたくなった。


牧義夫という方は版画家で、若くして貧困のうちに失踪した・・・と長年紹介されてきた。
しかし、作品が誰かの手によって不自然に加えられている上、その人物像自体にも疑義が・・・。


この本は、とある画廊の方が実に丁寧に丁寧に、藤牧義夫の人となり、作品をと追っていく様を描いたノンフィクション。
読んでいると、もちろん『一体、誰が、何のために』そんな人物像をこしらえたのか、犯人探しをしたくなるけれども、
今となっては、そんなことは何もわかならい。


とにかく、最後までぐいぐいと読ませる本でした。
オススメです。