どうやってつながる?

ここ数日、仕事上で初対面の人と会う機会が多い。
こんなときは、名刺を交わして、ある程度決まった挨拶の言葉を述べて・・・
というような出会いの仕方している。
そのため、どのような相手であってもこの型にのっかっておけば
安心ではある。

しかし、もし相手が年少の自閉症のお子さんだったら
私はどんな挨拶をして、話は続けたらいいのだろう?
聞くところによると、自閉症のお子さんは、言語的なコミュニケーションでの接触を拒んでいるそうだ。
言葉ありきの世界に馴染んでいる私は
自閉症のお子さんといったい、どのようにしたら通じ合えるだろうかと素朴に疑問に思う。
(残念なことに、これまで出会いがなかった。)



さて、そんなひとつの出会いの様子として、
この本に、自閉症傾向の“錐人くん”と著者である“山中先生”のプレイセラピー
(山中先生は、こどもの心理相談をしている治療者)
が載っていた。
錐人君の波長に先生が添っていく様子が、なんとも自然である。
錐人君の波に先生の波が、つかずはなれず追っているのが、
次第に波打ちぎわで溶け合っていき、気がつけば言葉で応答しているかんじ。

山中先生が錐人くんに身体的にも心理的にも近づいていく描写から
先生はお医者さんというよりも、なんか魔法使いのよう。
もしくは、ムツゴロウさんみたいだなと思いました。

子どものシグナル-心を護り育てるカウンセリング

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