タイトル

エッセイスト ブルボン小林の『ぐっとくる題名』を読んだ。


日々のブログのタイトルをつけるのは結構難しい。
一応、内容に即したものをとは思うのですが
考えるのが億劫になって
『今日読んだ本』『今週読んだ本』『最近読んだ本』
と、なんとも身も蓋もないことになっています。


著者は、はじめにこう述べています。

どういった題名が心に残るのか。また、心に残る題名には、どのようなテクニックが用いられているのか。僕は真剣に考えてみることにしました。

いかにもな書き出だしで、しかも新書なので
バリバリ実用書なのか?と思わせますが
この著者が、それだけなわけがない。


期待どおり、次に続く文章は著者の遊び心といいますか、オタク的な視点が盛り盛りで、
純粋に題名を鑑賞し、その解釈を楽しむことができます。
扱われている題名は、音楽作品・マンガ・小説・映画・ドラマなどから約200作品。
その中で、私のお気に入りの題名は
『淋しいのはお前だけじゃな』(枡野浩一のエッセイ集の題名)
私たちは、ついつい先入観で「淋しいのはお前だけじゃない」と読んでしまいそうになる。
それを逆手にとって、一字省略するとなんと正反対の意味になる。
しかも

反転したのは意味だけでない。言葉にこもった熱さは冷淡なものに、シリアスな気配は半笑いのものに、がくっとシフトチェンジしているではないか。


「おぉ。なるほどね」
自分が気に入った題名がどうして”ぐっとくる”のか分かり、スッキリすること請け合いです。
しかし、題名の奥深さに、ますます題名をつけるのが恐れおおくなったかも?

ぐっとくる題名 (中公新書ラクレ)

ぐっとくる題名 (中公新書ラクレ)