9月9日
(前回のつづき)
刑務作業品の展示即売がとても人気があるようでした。
家具、木工品、石鹸、ノート、カバン、
丁寧な作りの上、お手頃なお値段なので、午前中のうちに売り切れてしまうものもありました。
売り子さんはみな、胸に○○刑務所と所属のわかるプレートをつけています。
威勢がいい人もいれば、控えめな人もいますが、とにかく売り込みが上手。
「残りひとつですよ」「包装が汚れてしまったから100円引くから」
と、そんな状況でしたので、セールのときの独特の高揚感っていうのか、一種の視野狭窄状態に。
私も、先輩も各々素敵だなと目星をつけたものを、買うかどうかの二択に頭がいっぱいになる。
しかし、ふと冷静さを取り戻して思う。
この売上はどこにいくのかな?
どんな人がどんな思いで作ったのだろう?
(受刑者とはもちろん頭ではわかってるんだけどね)
そんな彼らが前面に出てこないのが矯正展なんだなぁ。
とはいえ、絵画と詩の紹介パネルで、ほんの少しだけ彼らの「生」が垣間見えるところもありました。