外国につながる子どもたち

 私の中学・高校時代は、地方の田舎であったことも手伝い、クラスメイトに外国人がいるとなればドラマの世界の中だけのことでした。
覚えておいででしょうか?「青い瞳の聖ライフ」。
宮川一朗太扮する高校生が、留学生の女の子ベスと学生結婚するコメディドラマなんですが・・・
したがって、私の脳内は
クラスに外国の子がいる=留学生
食べるものや言葉がちがって大変だろうな程度の想像力しかありませんでした。
 

さて、今は、クラスに外国の子がいることは、以前と比べて稀なことではなくなってきているそうです。

本書から、彼らが日本に住んでいる理由は、私が思いつく数以上の背景、多様性を持っていることがわかります。この本を作ったグループは、そんな子どもたちを「外国につながる子どもたち」と説明しています。そしてそれゆえに生じる彼らのアイデンティの問題や、日本の社会の無理解・制度上の問題から彼らがどんな気持ちでいるのか、20のストーリーを漫画で表しています。
また、各ストーリーの後に語句の解説もあり、理解が深まるように構成されています。
 ともするとどうしても重くなりがちなテーマですが、登場する少年少女が素朴で、悩みを持ちつつも希望を予感させる物語になっています。
 

まんが クラスメイトは外国人

まんが クラスメイトは外国人

個人的には、11話の「ソフィーラの物語〜お母さんと話ができない」が印象的。
カンボジア難民だったお母さんは日本で生計を立てることでいっぱいいっぱいで、充分な日本語力を持てずにきた。そのために母とソフィーラをはじめ子どもらは互いに互いにコミュニケーションがうまくいかなくなってきて、親子間がギクシャクする。
親子のコミュニケーションの問題は、家族内で孤立化を生むだけでなく、社会とも切れてしまうきっかけになるだろうから、とても大切なことだと思う。